業務システムというと、人間系(アナログ系)を多分に含むしくみを指す場合もありますが、ここではデジタル系、つまりITシステムを指すことにします。たとえば、基幹系の情報システムを何千万円、あるいは何億円もかけて構築したが、どうも社内で評判がわるい、あるいは、使っていないようだ、といった事例が後を絶ちません。
ないものねだり、という部分もありますが、どのようなシステムでなければならないのでしょうか? あるいはどのように作らなければならないのでしょうか? 以下の図のように、仕様を満たしていても、利用可能(満足レベル)でない場合が実は多いのです。
図1 多くの成功事例,問題のある事例,極めて少ない理想的事例
開発者あるいは設計者にとっては、お金と時間さえかければ、要求仕様を満足するシステムを作ることはできるのだ、と確信をもって言えるはず。しかし、ここでの問題は、お金と時間は有限であること、そして要求そのものが仕様書として明らかではないことですね。
素晴らしいシステムとは、業務の変革とともに拡張可能なしくみです。これを効果に見合った価格で提供してもらえるなら、これ以上に素晴らしいことはないはずです。